フレイルチェック

私たちは、柏スタディから得られた知見を基に、栄養(食と口腔機能)・運動・社会参加を包括的かつ簡易に自己フレイルチェック(フレイルチェック)」を開発しました。これは、あらゆる地域で実施可能な簡易評価法を用いて、地域在住高齢者がより早期(日常生活に大きな支障をきたしていない段階)に軽微なフレイルの兆候に気づき、最終的には自分事化をすることを目指したものです。具体的には、柏スタディにおける測定項目のうち、地域で簡単に測定可能な項目(下腿を自分の指で囲みサルコペニアのリスクをみる「指輪っかテスト」や11項目の栄養・口腔機能・運動・社会参加にかかる質問からフレイルやサルコペニアのリスクを調べる「イレブン・チェック」、簡易機器を用いて計測する口腔機能や運動機能、社会面にかかる質問紙調査)を選定し、実施しています。参加者は各測定項目の結果を、青シール(フレイル兆候なし)と赤シール(フレイル兆候あり)を使って記録します。ヘルスリテラシーの高い者だけではなく、地域の様々な高齢者が自由に気軽に参加できることを目指し、地域高齢者に身近な通いの場(地域サロン等)を実施場所としています。

 

フレイルチェック参加者の声

栄養

  • 口の滑舌をあまり普段の生活で気にしなかったのですが、改めて検査してみて口が回らないと思うこともあり、今後意識して生活したいと思いました。
  • お口の元気度で赤がついてしまいました。口腔ケアに気をつけようと思いました。
  • 歯の治療を早く進めてお口の中を早くいい状態にしたい。

運動

  • 筋力が意外に少ないので日々の運動に気をつけようと思いました。
  • 太ももの筋肉の衰えを感じ、スクワットも丁寧にやりたいと思いました。
  • エアロビックスに入会しリズム体操をする事にした。社交ダンス月8日間、身体を動かしています。

社会参加

  • フレイルと社会生活の係わりが密接な事が理解できた。今よりも少しでも社会参加に心がけたい。
  • 前回の参加から社会参加を増してきています。今後も継続します。
  • 人との関わりがとても大切なことだと理解できました。これからも大切な友人、知人を大切にしていきたいと思いました。

フレイルサポーター養成

フレイルチェックは、私たちが自治体と協働して養成した高齢市民サポーター(フレイルサポーター)により担われています。フレイルサポーターは、活動のシンボルである黄緑色のシャツに身を包み、プログラムの進行や機器を使った測定を任されています。また、チェック終了後には、結果を参加者と一緒に振り返り、柏スタディの知見に基づいたアドバイスを、各自の持っている地域情報を盛り込みながら提供しています。

フレイルサポーターの声

活動を通して得た新たな気づき

  • フレイルサポーターを行ったことで、自分の加齢による体の虚弱への対応がなされていなかったことがよくわかった。
  • 社会的な活動を積極的に行うことが、健康維持の上でも重要である、ということを再認識しました。

サポーター活動による行動変容

  • 活動を通じての友人、知人の輪が広がった。
  • サポーターとして参加している以上、自分の健康も大切と感じている。出来るだけ(短い距離でも)歩くように心掛けている。又、町でサポーターの人と会うと挨拶をし、言葉も交わすようになった。

地域貢献の気持ちの高まり

  • 今迄も何か地域に役に立ちたいと思っていたが、これからは具体的に貢献出来ると思う。
  • サポーターとなる以前から地域に貢献したい思いがあったが、市民サポーターを続けるうち、フレイルチェックの知識が習得できるにしたがって自信をもって行動するようになった気がする。

 

関連ニュース